四国八十八ヶ所巡礼の旅も、いよいよ最終盤。第87番札所・長尾寺(さぬき市)から、結願(けちがん)の霊場である第88番札所・大窪寺(さぬき市多和)への道のりは、まさに「最後の関門」であり、旅の集大成です。
平野ののどかな風景から、徐々に険しさを増す山道へ。これまでの長い旅路を振り返りながら、香川県最後となるこの遍路区間を最高に楽しむための見どころとポイントを解説します。

🧭 ルート概要と3つの選択肢
長尾寺から大窪寺までは、約16〜17kmの道のりです。高低差が約400mあり、前半の平地から後半の山登りへと景色がダイナミックに変化します。この区間には、大きく分けて3つのルートがあります。
- 女体山(にょたいさん)越えルート(へんろ道)
- 特徴:前山お遍路交流サロンを経由し、険しい山道を登る本格的なトレッキングルートです。山頂からの讃岐平野の絶景は圧巻で、達成感を味わいたい方に最適です。
- 前山・川又ルート(県道迂回ルート)
- 特徴:比較的緩やかな県道(3号線など)を進むルートです。女体山越えに比べて体力の消耗が少なく、雨の日や足腰に不安がある場合でも安全に歩くことができます。
- 花折れ峠(旧へんろ道)ルート
- 特徴:古くからある道です。交通量の多い車道を避け、急峻な女体山越えルートに比べて傾斜が緩やかで、車の通りも少なく静かに歩けるのが最大の特徴です。
🗺️ この区間を120%楽しむためのハイライト
1. 道中のオアシス「前山お遍路交流サロン」に立ち寄る
長尾寺を出発してしばらく歩くと、前山ダムのほとりにある「前山お遍路交流サロン」に到着します。ここは歩き遍路にとって外せないスポットです。
- 「歩き遍路大使任命書」の授与:歩き遍路の方には、ここで心のこもったバッジと任命書が授与されます(※簡単な手続きが必要です)。結願を前に、大きな励みになります。
- 情報収集と休憩:これからの山道の状況をスタッフの方に聞いたり、展示されている遍路の歴史資料を見学したりできます。
2. 女体山山頂からの「ご褒美」の絶景
女体山ルートを選ぶと、終盤に急勾配の岩場や山道が待ち受けています。息を切らせて登りきった山頂(女体山展望台)からは、東讃の街並みや瀬戸内海、そして遠くは瀬戸大橋まで見渡せる大パノラマが広がります。
宿主からのアドバイス(前述の雨天対策より): もし当日の天候が雨の場合、女体山の岩場や木の根は非常に滑りやすくなり危険です。雨の日は無理をせず、安全な県道迂回ルートを選んで一歩ずつ進みましょう。安全に結願を迎えることこそが最優先です。
3. 感動の結願へ!大窪寺へのカウントダウン
山を跨ぎ、あるいは谷沿いの道を抜けると、ついに第88番札所・大窪寺の境内が見えてきます。杉の巨木に囲まれた厳かな雰囲気が漂う境内に入った瞬間、これまでの1,200kmに及ぶ旅の思い出が蘇り、深い感動に包まれるはずです。
🥢 結願の後に味わいたい!地元のごちそう
無事に大窪寺へ参拝した後は、緊張の糸をほどいて美味しい門前グルメを楽しみましょう。
- 名物「打ち込みうどん」
- 大窪寺の門前にある食事処では、太めのうどんを季節の野菜や豚肉と一緒に味噌仕立ての出汁で煮込んだ「打ち込みうどん(けんちんうどん風)」が名物です。鉄鍋でアツアツのまま運ばれてくるうどんは、歩き疲れた身体にじんわりと染み渡ります。
📝 最後に:悔いのない一歩を
長尾寺から大窪寺への道のりは、ただの移動ではなく、自分の足で四国を回ってきたことへの「感謝と振り返りの道」です。
体調や天候としっかり相談しながらルートを選び、香川県最後の遍路道を一歩一歩、噛みしめるように楽しんで歩いてくださいね。素晴らしい結願の瞬間が待っています!