「せっかくのお遍路なのに、明日は雨予報……」 長い旅路のなかで、雨の日に当たってしまうことは避けられません。特に山間部の多い四国では、平地が晴れていても峠道で激しい雨に降られることも日常茶飯事です。
雨の日の歩き遍路は、事前の準備やちょっとした「歩き方のコツ」を知っているかどうかで、体力の消耗度や快適さが天と地ほど変わります。
今回は、数々のお遍路さんを雨の日にもお見送りしてきた宿主の経験から、「雨の日の遍路で困らないための具体的な対策」を徹底解説します。

目次
🧥 1. 【装備の基本】レインウェアは「蒸れ対策」が命
雨の日の最重要アイテムは、第4弾の持ち物編でもご紹介した「上下セパレートのレインウェア」です。
- 宿主のアドバイス: 雨の日に歩くとき、本当に敵となるのは雨水だけではありません。実は「自分の汗による内側の蒸れ」で服が濡れ、体が冷えてしまうケースが非常に多いのです。
- 安価なビニールカッパは通気性が皆無なため、歩いているうちにサウナスーツ状態になり、汗でベタベタになってしまいます。ゴアテックスをはじめとした「透湿防水素材(外からの雨は防ぎ、内側の湿気は逃がす素材)」のものを必ず選びましょう。
🎒 2. 荷物と「納経帳」を絶対に濡らさない工夫
リュックの防水対策も忘れてはいけないポイントです。
- 宿主のアドバイス: リュックカバー(ザックカバー)をつけていても、背中との隙間から雨水が侵入し、中の荷物が濡れてしまうことがあります。
- 一番確実なのは、「リュックの内側に大きなゴミ袋を入れ、その中にすべての荷物を詰める(インナー防水)」という方法です。
- さらに、お遍路さんにとって命とも言える「納経帳」や「白衣」は、それぞれ個別にジップロックなどの密閉袋に入れて二重に保護しておきましょう。これで万が一リュックが浸水しても、大切な証を濡らす心配はありません。
👟 3. 足元のトラブル(マメ)を防ぐ「ワセリン」の力
雨の日は、足元が濡れることで皮膚がふやけ、普段よりも圧倒的に「マメ」ができやすくなります。
- 宿主のアドバイス: 靴の中に水が侵入するのを防ぐため、靴の上から被せる「ゲイター(足首用の泥除けカバー)」を使うのが効果的です。
- それでも濡れてしまった時のために、出発前に足の指や足裏へ「ワセリン」をたっぷり塗っておくことを強くおすすめします。ワセリンが油分の膜となり、水分による皮膚のふやけや、靴下との摩擦を劇的に軽減してくれます。
⛰️ 4. 雨の日の山道(遍路転がし)は絶対に無理をしない
雨が降ると、四国の美しい遍路道も一転して危険な道へと変わります。
- 宿主のアドバイス: 山道にある木の根や苔の生えた石、鉄板などは、雨に濡れると氷の上のように滑ります。特に下り坂は膝への負担も大きく、転倒による怪我のリスクが跳ね上がります。
- 天候がひどい日や、少しでも体調に不安がある場合は、「険しい山道を避け、舗装された県道や国道を迂回するルート」を選んでください。「せっかく歩き遍路に来たから山を登りたい」という気持ちも分かりますが、安全に結願を迎えることこそが最優先です。
🏡 当宿からのお知らせ
雨の日の歩きお遍路は、精神的にも肉体的にも本当にタフな1日になります。 当宿では、雨の中を懸命に歩いてこられたお遍路さんを、万全のバックアップ体制でお迎えしています。
- 濡れた装備もしっかり乾かせる: 衣類乾燥機や、濡れた靴を乾かすための最新の靴乾燥機、新聞紙をご用意しています。
- 冷え切った身体を温める: 到着後すぐに入れる温かいお風呂と、冷えた身体にじんわり染み渡る美味しいお料理をご用意してお待ちしております。
- 翌日のルート相談: 「明日も雨みたいだけど、次の山道は歩けそうか?」など、地元の天候や道路状況に詳しい宿主へ何でもお気軽にご相談ください。
雨の日の歩みも、振り返ればお遍路の深い思い出の1ページになります。決して無理をせず、安全第一で一歩ずつ進んでくださいね。当宿は、いつでも温かいお部屋とお料理を用意して、皆様の無事のお帰りを心よりお待ちしております。